初代デジスコ用に購入したKOWAのTSN-DA4は、
大抵のコンデジをデジスコ用カメラにすることができるという便利なものでした。
これから安価なデジカメシステムを組みたいと考えておられる方のために、当方の使い方を記録しておきます。
このユニバーサルアダプタTSN-DA4は
TSN-DA4にTSN-DA1Aを取り付け、
TSN-DA1A側からフィールドスコープのアイピース部分を差し込んで
適度な位置でネジで固定するという構造になっています。

このシステムでの撮影方法で重要なことは、
フィールドスコープの光軸(光点)とコンデジの光軸を一致させるように
コンデジのセット位置(上下左右)を調整して使用することです。
光軸が一致する、ということのイメージがつきにくいかもしれませんが、
下の写真イメージのように、要はTSN-DA1A側から覗き込んだ時に、
カメラのレンズの中心がど真ん中に来ているようにする、ということです。
※実際には、当該アダプタをフィールドスコープに取り付けた状態でデジカメをONにして、映る像がコンデジのモニタ画面の中央にくるように上下左右に移動させます。

下の写真(真横から撮った写真です)は悪い例で、カメラの位置が低すぎます。
写真の右下にある金属のネジを緩め、デジカメの高さを上の方へ動かしてから、再び固定します。

カメラのレンズ前面とフィールドスコープのアイピース面が
ある程度水平になるように、コンデジを固定することも重要です。
(写真を撮れなくはないですが、写真全面にピントが合いにくくなるはずです)
このユニバーサルアダプタは、様々なサイズのコンデジを取り付けられる反面、
光軸合わせだけが若干面倒です(慣れれば誰でも十秒~数分でできます)。
このシステムでは、カメラの電源を切った状態であれば
ほぼ全てのコンデジを適正位置に取り付けることができます。
ただ、最も注意しないといけない点は、電源を入れた時と、
撮影したい倍率にズームした時です。
電源を入れた時に、大抵のコンデジではレンズが自動で飛び出してきます。
また、高い倍率にズームアップする際には、レンズが伸びます。
この時に、カメラとアイピースの距離が近すぎると
レンズがアイピースに当たってしまうため、レンズが壊れてしまったり
安全装置が働き、カメラの電源が切れるため、撮影できません。
そのため、手持ちのコンデジがこのユニバーサルアダプタに
取り付けられるかどうかは、カメラの電源を入れた時、さらには撮影時にズームアップした際のレンズの飛び出し量の確認が重要となります。
カメラの三脚穴の中心から、ズームアップしたときのレンズ先端までの距離が
55mmを超えるコンデジは、使えない可能性が高いです。
(DSN-RX100では約55mmですが、ギリギリ使えています)

ただし、上記制約は、三脚固定ネジを最後列にセットして使用した場合のものです。
別途、三脚プレートを追加するなどして固定位置をさらに離せば、
この制約は緩和され、レンズ先端までの距離がもっと長いカメラでも使えるようになる可能性があります。
(市販の延長部品は存在していないので、いくつかの市販部材を選定し組み立てる必要があります(自己責任でお願いします))
この初代システムで撮影するまでに行っている当方の手順は以下です。
興味がある方はご参考ください。
①フィールドスコープにドットサイト(照準器)を取り付ける
②フィールドスコープにTSN-DA4を取り付ける
③三脚を組み立てる(足を延ばして固定する)
④フィールドスコープを三脚の雲台に取り付ける
⑤TSN-DA4にコンデジをセット(仮)する
⑥フィールドスコープの先端のキャップを外し、カメラの電源を入れ、
光軸を合わせる (カメラ画面の中央に像が配置されるようカメラの位置を調節する)
⑦遠方の木などの目印が、カメラ画面の中央に映るようにフィールドスコープの
向きを調整する。
⑧ドットサイト(照準器)のマーカーが、上記の目印とほぼ合致するよう、ドットサイトの微調整を行う(カメラ画面の中央に目印が映っている状態のまま実施する)
ここまでが撮影場所に到着した時に行う準備です。
TSN-DA4Aをフィールドスコープに常時取り付けたまま保管する場合は、
②⑤⑥⑦⑧は不要となります
撮影の際は以下の手順で実施します。
⑨肉眼もしくは双眼鏡で撮影したい野鳥を見つける
⑩三脚をセットする(しっかり固定する)
⑪撮影したい野鳥にドットサイト(照準器)のマーカーを合わせる
⑫フィールドスコープのピントつまみを調整し、野鳥に大まかにピントを合わせる
⑬レリーズケーブルでシャッターボタンを半押しにする
⑭カメラのレンズリングを少し回し、DMFモードを起動する
(被写体像が拡大される)
⑮フィールドスコープのピントつまみを微調整し、ピントを合わせる
⑯レリーズケーブルを押し込み、撮影する
⑰⑮ではピントが完全に合っていないことがあるため、⑬~⑯を何度も繰り返す
風が強く写真がぶれやすい時は、写真をあきらめて動画を撮影した方が良いです。